コロナウイルスに対する漢方の考え方


現在、日本でもパンデミックになりつつあるコロナウイルスについて漢方的考え方をお伝えします。(アオキ薬局個人意見)

もともと風邪のウイルスであるインフルエンザは、寒さと乾燥の強い北京からロシアなど北部より広がってくる事が多いと言われています。

しかし、今回のコロナウイルスは武漢という比較的中国南部より始まっています。

過去のインフルエンザは漢方的には「強い風寒(ふうかん)の邪」に分類され、かかると強い寒気の後、高熱が出ます。

対して、コロナウイルスは「風寒(ふうかん)」ではなく「風寒湿(ふうかんしつ)の邪」と考えられます。

かかると、寒気やのどの痛みの後、発熱するのですが、インフルエンザほどの高熱ではないことから、コロナウイルスが「湿(しつ)」を含むためだと言えます。


「湿(しつ)の邪」は…


1、体が重だるい
1、むくむ
1、動く気力が落ちる


などの症状を出します。
そこに「風寒(ふうかん)」の邪が絡むので、発熱・のどの痛み・咳などが出るのです。

「湿(しつ)」の邪は体に入ると、体内の「陰分(いんぶん)」と言われる潤いの場所で悪さをします。

この「陰分(いんぶん)」とは、体の中のリンパ系水分の流れや潤っている臓器に多くあり、


1、リンパ系水道(三焦(さんしょう))
2、肺
3、胃腸
4、腎


の4か所で「湿(しつ)」の邪が悪さをし、傷つけていくのです。

初期は、リンパ系水道(漢方では三焦(さんしょう)という)を流れていますので、この時に、ウイルスを追い出したり解毒できれば一番早く良くなります。

例年のインフルエンザと同様と考え、葛根湯(かっこんとう)や麻黄湯(まおうとう)のみを使っていると、より体内深く入られる可能性が高いの注意が必要です。

それは、先ほども述べたようにインフルエンザは「風寒(ふうかん)の邪」ですが、コロナウイルスは「湿(しつ)」を含む邪、「風寒湿(ふうかんしつ)の邪」だからです。


ここまでの考察より、かかった時期、症状に併せて次のような漢方が有効と考えますので、ひとつの参考にして下さい。



コロナウイルスに有効と考えられる漢方


1、初期で寒気やのどの違和感のある時

漢方処方:荊防敗毒散(けいぼうはいどくさん) 又は

葛根湯(かっこんとう)+小柴胡湯(しょうさいことう)


2、さらに体のだるさと微熱が始まった時

漢方処方:葛根湯(かっこんとう)+温胆湯(うんたんとう)


3、さらに咳が出だした時

漢方処方:竹葉石膏湯(ちくようせっこうとう)+柴陥湯(さいかんとう)


4、さらに続き、息苦しさを伴う時

漢方処方:竹葉石膏湯(ちくようせっこうとう)+柴陥湯(さいかんとう)+生脈散(しょうみゃくさん)


5、この先は、肺よう病(はいようびょう)、肺委病(はいいびょう)という病理になります。


ーすべて体質、症状に応じた量加減が必要ですー


コロナウイルスは「湿(しつ)を含む邪」と、考えていますので、そこに留意しながら進行具合をみてうまく解毒に繋がればと考えています。

アオキ薬局の個人意見ですが、興味のある方はお問い合わせください。

漢方薬剤師 青木 正人

「コロナウイルス、私のおもい①」はコチラ

「コロナウイルス、私のおもい②」はコチラ