コレステロールの摂り過ぎは悪い!?・№2


●「コレステロールの摂り過ぎは悪い」はウソ?

日米政府の動きが示すように、

食事から摂取するコレステロールが、血中コレステロールを大きく高めたり、心筋梗塞などの発生率を高めたりするという科学データは得られていない。

体内のコレステロールは7~8割が肝臓など体内の合成されたものであり、食事から摂るのは2~3割にすぎない。


人には食事で摂り過ぎれば体内の合成量を減らし、逆に摂取量が少なすぎれば合成量を増やすなどの調節機構があるほか、食事中のコレステロールの影響度合いには遺伝的要因もからむ個人差が大きい。

そのため、少なくとも健康な人に対して一律にコレステロールを制限する理由はないというのが、日米政府の一致した見解だろう

ただ、食事中のコレステロールの摂取基準が撤廃されたことで、健康診断などで測定される血中コレステロール値がどうなってもよいというわけではなさそうだ。

日本における脂質異常症の診断基準を作っているのは、専門医からなる日本動脈硬化学会だ。

同学会は「動脈硬化性疾患予防ガイドライン(2012年版)」の中で、LDL(悪玉)コレステロールが血液0.1ℓ(dl)当たり120~139㎎を境界域高LDLコレステロール血症、140㎎以上を高LDLコレステロール血症と定めている。

厚労省の「国民健康・栄養調査(平成25年)」から推定すると、この基準では49~79歳の男性の約3分の1、女性では約半数もの人が脂質異常症ということになる。


厳格に思える基準について、日本動脈硬化学会でガイドラインを担当する大阪大学大学院医学系研究科の山下静也教授は、

「血中LDLコレステロールが120㎎/dl以上の人全員が薬学治療をしなければいけないわけではなく、リスクが高い人に警鐘を鳴らして、運動習慣や喫煙等を見直してLDLコレステロール値を下げてもらうという意味がある」

と説明する。

山下教授は、「血中のLDLコレステロール値が高いと狭心症や心筋梗塞などのリスクが高まることは、膨大な数の論文で示されている」と話す。

№3では、続きをご紹介します。



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