●「1本で1日に必要な野菜」「濃縮還元」は本当?
野菜ジュース1本で、本当に「1日に必要な野菜」が取れるのか?
「消費者は疑問に思ってほしい」と阿部司氏は忠告する。
かつて食品添加物の専門商社に勤務し、多種多様の食品添加物を加工食品業者に販売していた安部氏は、消費者が知らない加工食品の現場を見て、食の安全性に危機感を抱くようになった。
現在は無添加食品の開発を推進。
その経緯を著書『食品の裏側』にまとめ、消費者に警鐘を鳴らしている。
まず「1日に必要な野菜が取れる」という表示はトリックだと指摘する。
厚生労働者が、健康を維持するには成人1日当たり350g以上の野菜を取ることを推奨しているのだが、「その数字を基に、1日に必要な野菜350g分を計算上、入れたということであって、野菜350gを取った場合の栄養素が入っているわけではない」。
やや古いデータだが、名古屋市消費生活センターが2007年に市販の野菜ジュース35銘柄の栄養成分を分析している。
野菜350gを取った場合、ビタミンCを45mg、カルシウムを114mg、カロチンを8.6g取れると換算して比較。
「ビタミンCやカルシウムなどの摂取はあまり期待できない(35銘柄中、水準に達したのは2銘柄)」
「カロチンは十分なものがいくつかあるが、ほとんど含まないものもあった(35銘柄中、水準に達したのは8銘柄)」
阿部氏は「特に『濃縮還元』タイプのものは、栄養素がほとんどない」と教える。
栄養素がない野菜ジュースを飲んでも気休めにしかならない。
そこにあるには飲んだ人の“満足感”だけである。
№2で製法についてご紹介します。
(参考著書:阿部司『食品の裏側』)
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