たんぽぽグルメ



先日、ベジタリアンの方に春におすすめのサラダを教えていただきました。

タンポポの葉をゆでて水分を絞り、レモン汁と塩、オリーブオイルをあわせ、あめ色タマネギをトッピングしたもので、レバノンで有名なレシピをアレンジしたとのことでした。

美食の国、フランスでもタンポポクリーム、タンポポサラダ、タンポポはちみつ、タンポポジュレ、タンポポオムレツ、タンポポとヤギのチーズなど、たくさんの「ピサンリ(タンポポの葉)」と書かれたレシピがあり、「ピサンリを食さなければ春が来ない」とまで言われます。

ピサンリは「おねしょ」の意味があり、なぜタンポポがこう呼ばれるようになったかというと、タンポポの葉には利尿作用があるからです。



世界各地でよく食べられているのと比較して、日本ではそれほど一般的な食材として使われないのは不思議でもあります。
生薬として扱われてきた歴史が長いからなのか、ご存じの方がおられましたら教えていただきたいです。

タンポポの若い葉はやわらかく苦味もそれほど強くありませんが、育った葉もゆでたり炒めるなど調理をすればおいしく食べられます。
タンポポの葉は苦いと言われますが、多くの文化では、その苦みがあるからこそ重宝されています。
フレンチでは遮光栽培されたピサンリを使うことが多いので、白菜のような黄緑色ですが、苦味はしっかりあります。

苦味には解毒を促し、体にたまった余計なものを排出してくれるという働きがあります。


散歩の途中でタンポポを見かけたら、少し持ち帰って味わってみるのも楽しいです。
採るときは、車の排気ガスや殺虫剤、犬の糞尿を浴びている可能性があるので、道路に近い場所は避けてください。

アオキ薬局  青木 正人