生姜(ショウキョウ)と乾姜(カンキョウ)


生姜(ショウキョウ=しょうが)は現在色々な物が市場に出回っていますが、日本と中国では生薬として使う時に、加工方法が違います。

この加工の事を漢方で「修治(しゅうち)」と言います。
修治方法が違えば、その生薬の効き目も変わってきます。
しょうがの事を「生姜」と書き、生薬名では「ショウキョウ」と音読みします。
これを加工したものを「乾姜(カンキョウ)」と言います。

ところが日本では、“蒸して乾燥したもの”を乾姜と言いますが、中国では“日光に当てて干したもの”を乾姜と言います。
そして日光に当てて黒く乾燥させた乾姜が一番いいものとされています。
これがしょうがの本来の修治なのです。

ところが市販品はごちゃまぜになっている事があります。
名前だけで同じとは限らないのです。
似ていますが、まったく別物ですから注意しましょう。

漢方が中国から日本に伝わり、日本独自の修治方法が出来上がったわけです。
もちろんその中には先人達の創意工夫がしっかりと入ってるわけです。
中国・日本の偉大な先生達に敬意を払いながら、日々漢方をお世話させて頂いています。


さて、修治(しゅうち)で効き方はどう変わるのでしょう。

温める速さでは「生の生姜>生姜>乾姜>炮姜(ほうきょう:炒ったもの)」の順番になります。

さらに体のどれぐらい深い所まで届くかということですが、深ければ腎経の骨まで温め、浅ければ水分リンパのみということになります。

深さの順番は「炮姜>乾姜>生姜>生の生姜」となります。

よく風邪をひいた時は生姜がいいといいますが、それは発熱と悪寒に働いて、発散して後で冷やすためです。
だから生のしょうがはカッカッして温まるイメージですが、後は冷えていくのです。
その作用を使って熱冷ましに使うのです。

他にもお腹の中で殺菌して、嘔吐下痢に働きます。
これも急性病ですから、生のしょうががいいという事になります。
慢性の冷え症や、冷えからくる手荒れ、あかぎれ、しもやけ、乾燥肌には、ゆっくり温め治していく乾姜がベストです。

このような使い分けを考えながら、漢方を調合させて頂いています。

皆様もご存じの通り、生野菜よりも温野菜がカラダを温めます。
これは”しょうが”も同じです。
“しょうが”ならなんでも同じではなく、やっぱり生しょうがよりも”温しょうが(乾姜)”の方がカラダを芯から温める力が強いのです。

”温しょうが”にすることで、しょうが独特のピリッと感もマイルドに代わります。
漢方では生しょうがを「生姜(しょうきょう)」、太陽にあてた温しょうがを「乾姜(かんきょう)」として区別しています。


当店で年中売れている「焼きしょうが」は粉末で、なんにでもサラッと溶けるので、体を冷やすビールやコーヒーを飲むときにちょこっとプラスする事をおすすめしています!

ビールに”しょうが”かよ!?と思うかもしれませんが、意外にいける!!と飲まれているお客様もいらっしゃいますよ。

気になる方は是非店頭でお尋ね下さい。



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