●「熱風」
№12の続きです。
体の中の「熱風」についてのお話です。
乾燥した熱風は「ごわつき」を作ると述べました。
「ごわつき」の症状のひとつに筋委縮性側索硬化症(ALS)があります。
もちろんすべてのALSがこの病理体質という訳ではありませんが、アオキ薬局でお世話させて頂いた方は皆さん「熱風」が関わっていました。
筋肉や、神経が「ひからび」を起こし、本来の働きをしなくなり、かつ痩せてきていました。
治すには、熱風を静め、ごわついた場所を潤していかなくてはいけません。
これを漢方では「痿症(いしょう)」と言い、いろいろな生薬や方剤が入ってきます。
以前、お世話させて頂いた方ですが、腕に筋委縮が起こり、握力低下が著しく、しかも片腕のみという方がいらっしゃいました。
病院でALSと診断されていましたが、原因不明との事でした。
体質、その他の症状、舌診より、また腕という上肢のみに症状が出ている事により、
肺陰の枯燥(こそう)により、腕に十分リンパ液や血液が巡らず、栄養が輪布(わふ)されず、出てきた肢体の痿廃(いはい)とみました。
メイン処方に「清燥救肺湯(せいそうきゅうはいとう)」を使いました。
この処方の古典の条文に「諸気臗うつ、諸痿」とあり、燥傷肺陰の病理について書かれています。
また、その勢いが強い時の加減法も書かれていて、年齢なども加味してお出ししました。
そして2週間位服用して頂いて握力が戻りだしました。
「清燥救肺湯(せいそうきゅうはいとう)」という漢方は、もともと咳や息切れの処方で、外科的に使われるものではありません。
古典の条文には目標となる体質説明があり、それを根源とし出てくる病気には病名が何であろうと効果を発揮する訳です。
漢方はこのようにして熱風を静め、根本から改善し、症状を落ち着かせていくことが出来るのです。
アトピー性皮膚炎 20代 女性
1月
小学校高学年より続くアトピーで相談あり。
主に顔と首に出ていて、顔はまぶたの上、首全体、あごにかけてかさつきとかいた後がシミになっていて黒ずんでいる。
まぶたには以前はなかったが、ここ1年で出てきて、首と同じように黒ずんでいる。
左手首にも盛り上がった湿疹の固定化が見える。
また生理不順もあり、月経がきても量が少なく、何ヶ月かこない事もある。
睡眠は約6時間、夜間はそれ程かゆみで困る事はない。
舌診と問診より、血虚血熱、そこに内風が絡んで発症しているとみた。
苦い物は苦手という事で、漢方の錠剤の組み合わせで体の中からかゆみを起こらなくしていくことに。
5月
4ヵ月ぶりに再来店。
「漢方飲んですぐ良くなって・・・言われた通り食生活を見直して、チョコレートとか控えました」と報告あり。
最近暑くなってきたためか、汗をかいてかゆみが出る。
前回の漢方に汗対応を加えた。
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