夏風邪(クーラー病)・№2      2018年 8月17日


冷房(クーラー)の冷たい風に当たると、肌が冷えてその冷えは肺へ伝わります。
肌の表面の皮毛(ひもう)と肺は経絡が表裏関係で繋がっていて、肺の機能ダウンを起こします。
また当然、冷たい飲み物は胃腸を冷やし腸内細菌撲(ちょうないさいきんそう)を崩し、腸内フローラのダウンになります。

胃腸が冷えてダウンした時、漢方では「呉茱萸湯(ごしゅゆとう)」や「人参湯(にんじんとう)」などを使います。
どちらも温める処方ですが、呉茱萸(ごしゅゆ)の入った呉茱萸湯(ごしゅゆとう)には冷え・のぼせがあります。
対して、人参湯には冷え冷えしているので、透明の鼻水や透明の痰、唾の方に使います。

立秋前の18日間は「夏の土用」という季節にあたり、土用は五臓六腑の中の「脾胃(ひい)」の働きが盛んになる時とされています。
そこで、夏バテしてあまり食べれていない時にこの季節の胃腸に合わせて「うなぎ」でも食べて精を付けようと言う訳です。


体というのは面白いもので、結構漢方の季節節気通りに変わっていきます。
今の時期に、胃腸が元気になり過ぎると食べ過ぎて「夏太り」しますのでお気を付け下さい。

また、漢方の五行の関係でこのあと「土克水(どこくすい)」とあり、胃腸が丈夫になり過ぎると、水の臓器である「腎・膀胱」がダメージを受けます。

併せてお気を付け下さい。





頭のかゆみ       70代 男性

6月
頭の慢性のかゆみで相談あり。
見ても、肌は荒れてる様子はない。
本人が言うには、いつも何かイジイジして、ちょこちょこ掻いてしまう。
掻きすぎると血が出る事があるが、ふだんそこまで掻くことはない。
かれこれ20年位、お酒を毎日、血圧は病院の薬を飲んで安定。
腰痛の持病あり。
いろいろ聞いていくと、初めは白髪染めでかぶれたらしい。
それが治りきらず、その後白髪染めを使っていないのに、ずっとかゆみは続いている。
これは、皮膚の回復力が落ち、正常な肌に戻りきらないと、かゆみはずっと続くようになる。
それほどひどくはないが、治りきることもない。
そこでかゆみから離脱できるように処方を考えた。


7月
かゆみがだいぶ減ってきたと報告あり。

現在服用中。



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