慢性腎臓病(CKD)

慢性腎臓病とは腎機能低下に伴う腎疾患の総称です。
西洋医学では腎臓は悪くなってしまうと改善が難しい臓器とされていますが、漢方を扱う東洋医学では認識が少し異なります。
東洋医学では腎機能を下げる炎症の原因となる関連疾患をケアし腎機能を高め、腎臓の濾過機能をサポートすることでクレアチニンなどの数値改善をサポートします。


1.慢性腎臓病(CKD)とは

腎臓は血液を介していらないものを濾過し排出する器官です。慢性腎臓病とはこの腎機能が低下する様々な腎臓疾患の総称となります。

腎臓の働き

腎臓とは、わかりやすく言えば血液を掃除してくれる臓器です。

腎臓の働きが低下してくると全身の血液が汚れ、全ての臓器の働 きが低下してしまいます。これを多臓器不全と言います。


慢性腎臓病の症状

慢性腎臓病の初期段階では、ほとんど自覚症状がありません。

血液検査で腎機能を示す血清クレアチニンやeGFR(イー・ジー・エフ・アール)※などの検査値に異常がみられたり、尿検査で蛋白尿や血尿がみられたりしますが、多くの場合、体調に異変がなく、尿の見た目も変わりません。

慢性腎臓病が進行すると、腎機能が徐々に低下していきます。腎機能が正常時の30%(eGFRで30)以下になると、慢性腎不全という状態になります。

慢性腎不全になると、その後に腎機能が回復することはなく、さまざまな自覚症状「夜間の尿が増える・貧血・むくみ・息切れ・だるさなど」があらわれるようになります。





慢性腎臓病の原因

CKDの原因としては、糖尿病や慢性糸球体腎炎(蛋白尿や血尿が長期間持続する病気)などが多いですが、加齢も大きな要因です。

また、肥満や運動不足、喫煙、ストレスなどからくる高血圧症、高脂血症などのメタボリックシンドロームもCKDの発症に大きく関与しているといわれています。

慢性腎臓病のステージについて

腎臓の機能を表す指標として、血清クレアチニン値をもとに糸球体濾過量を推定した推算GFR(eGFR)が用いられます。

GFRは糸球体が1分間にどれくらいの血液を濾過して尿を作れるかを示す値です。

健康な人では、GFRは100mL/分/1.73㎡前後ですが、たんぱく尿などの腎障害がなくとも、60mL/分/1.73㎡未満が持続していればCKDと診断されます。

さらにGFRが低下するとCKDの重症度(病期)が進み、透析や心臓病などの心血管疾患の危険が高まります。末期腎不全(15mL/分/1.73㎡)では透析治療などの準備が必要になります。


2.慢性腎臓病が進行すると

慢性腎臓病が進行すると慢性腎不全になり夜間の尿が増えたり、むくみ、貧血などの症状が現れます。そしてさらに進行すると透析が必要になる常にまで悪化します。



慢性腎不全


慢性腎臓病が進行すると、腎機能が徐々に低下していきます。 腎機能が正常時の30%(eGFRで30)以下になると、慢性腎不全という状態になります。

慢性腎不全になると、その後に腎機能が回復することはなく、さまざまな自覚症状があらわれるようになります。

腎機能低下による透析

腎不全になると体内から老廃物を除去できなくなり、さらに腎機能の低下が進んで、末期腎不全という状態(eGFRで15未満)になると、腎機能を補うために腎代替療法(腎移植や透析)が必要になります。

腎臓は病気がある程度まで悪くなってしまうと、もとの正常な状態に回復することは難しいですが、生活習慣の改善や薬物治療により病気の進行を遅らせることが期待できます。


3.慢性腎臓病に病院治療について


慢性腎臓病の西洋医学治療はステージによって異なります。


西洋医学のCKD治療目的について


慢性腎臓病(CKD)の治療では、薬を使って腎臓の機能を補うことで、進行を遅らせたり、腎臓の機能が低下することで起きる症状を改善したりします。

つまり腎機能低下を遅らせる対処は可能ですが、腎機能を回復させることは現在の医療ではできないとされています。

腎機能を守る対処療法については以下があります。

腎臓の血圧を調整する機能を助ける薬


・降圧薬
慢性腎臓病(CKD)を伴う高血圧症には、腎臓を保護する作用がある降圧薬を使います。

・利尿薬
尿の量を増やして、体内の余分な水分や塩分(ナトリウム)の排出を促すことで、血圧を下げたり、むくみをとります。

腎臓の老廃物を体から排出する機能を助ける薬


・経口吸着炭素製剤
腎臓の機能が低下すると、血液中の老廃物が尿へ十分に排出されず体内にたまってしまい、尿毒症になります。
腸の中で、尿毒症の原因となる毒素を吸着し、体内に吸収させることなく、便とともに排泄させる薬を使います。


腎臓の血液をつくる司令官としての機能を助ける薬


・腎性貧血治療薬
慢性腎臓病(CKD)では貧血が発症します。
血液(赤血球)は骨髄の中にある細胞が、腎臓から出るホルモン(エリスロポエチン)の刺激を受けてつくられますが、腎臓の働きが悪くなるとこのホルモンが出てこなくなってしまうため、血液が十分につくられず貧血になります。
貧血は、エリスロポエチンの分泌不足を補う注射薬(ESA)や、体内のエリスロポエチン産生を促す内服薬による治療により改善します。
貧血を治療することによって、腎臓の働きが悪くなるのをおさえることができるといわれており、また貧血は心不全を悪化させる原因にもなりますので、 慢性腎臓病(CKD)において、貧血治療は重要です。

腎臓の体液量・イオンバランス調節薬


・カリウム吸着薬
腎臓の機能が低下すると体内のカリウムが排出されず体内にたまってしまいます。
カリウムは体にとって不可欠のものですが、体内にたくさんありすぎると手足のしびれや不整脈などの原因になります。
そのため、腸の中でカリウムとくっつきカリウムを体外へ排出する薬を使います。

・リン吸着薬
腎臓の機能が低下し、体内からリンを排出できなくなると高リン血症になり、骨がもろくなったり、心臓や血管に悪影響を及ぼします。
そのため、食べ物の中のリンを腸の中で吸着して、体に吸収させることなく体外へ便とともに排泄する薬を使って体内のリンを減らします。


東洋医学で慢性腎臓病を改善する


東洋医学で診る慢性腎臓病


・腎臓の炎症
慢性腎臓病とは、腎臓で炎症が起こることにより糸球体などの細胞が破壊され腎機能が低下する病気です。
腎臓の炎症は加齢や喫煙、または関連する疾患によって発生している場合がほとんどです。

・関連性の高い疾患
慢性腎臓病は自己免疫疾患や生活習慣病(糖尿病・高血圧・脂質異常症)などの病気が起点となっている場合も多々あります。
つまり、お一人お一人によって慢性腎臓病の原因が異なるということになります。
その場合、関連性の高い疾患によって腎機能の低下を招いていることになり、関連性の高い疾患も同時にケアしていく必要があります。

また、腎臓は毛細血管のかたまりともいえる臓器ですので、腎臓の毛細血管の炎症や蓄積物(汚れ)が蓄積することも腎機能低下の大きな原因となります。
度々クレアチニンの数値が問題視される理由は、クレアチニンが腎臓でろ過されるためで、濾過の過程で血管や血液の役割はとても大きいと言えます。
つまり、長年の生活習慣による血管や血液の状態の悪化も同時に解決する必要があります。

漢方で原因疾患をケアし腎臓の働きを高める

慢性腎臓病などの腎機能低下において東洋医学アプローチの基本は下記の通りとなります。
まず、腎臓にダメージを与えてしまう原因となる腎臓の炎症を改善することと濾過機能に携わる血管や血液の状態を改善する必要があります。


腎臓の炎症を改善する

腎臓の炎症の原因となる疾患である糖尿病や高血圧、脂質異常症、肥満などの生活習慣病をお持ちの方はそれぞれの疾患を改善する漢方を用いながら炎症原因を改善に導きます。
また、腎機能を立て直す漢方やお薬を用いることで弱ってしまった腎臓そのものをケアします。

腎臓の濾過機能を高める

腎臓は濾過を行う器官なので、いらない物を濾過するために適した作りになっています。
人体の濾過において不純物を運ぶ役割は「血液」が担い、その血液が流れる道路が「血管」となります。
腎臓はいらないものを濾過するために毛細血管が張り巡らされています。

つまり腎臓に流れる血液がドロドロだったり、血管の状態が硬くて凸凹した状態だと濾過機能は低下します。
このことから東洋医学では血液の状態を流れの良い状態に戻し、血管をしなやかな状態に戻す漢方をアプローチを行います。

東洋医学での慢性腎臓病改善例

東洋医学はお客様一人一人に合わせた治療プロセスを組み立てるという特徴があります。
これはお客様それぞれに特有の原因があるからで、その個人個人の状態を正確に把握し選薬することで問題を改善に導きます。


慢性腎臓病の場合は

・腎臓の炎症原因の改善

・腎機能をサポートする漢方

・濾過機能を高めるアプローチ

を行うことで、腎機能の改善が期待でき、当店でも多くのお客様にお喜びいただいております。また腎臓の数値が改善し病院のドクターが驚くことも多々あります。

当店では人工透析を間近の方や腎臓に関する問題でお困りのお客様が多数来られます。

もし、辛い症状でお悩みであれば、ご相談は無料ですので、お気軽にご相談ください。

経験豊かな漢方カウンセラーがお待ちしております。