冬の感想ーしもやけー         2018年 3月27日



今年の冬はすっごく寒く、50年に1度位の冷え込みだったそうです。

私は休日には好きで農業をやっているのですが、日当たりの良い池が一面に氷をはっているのを初めて見ました。
南側に山などがあり、日中も影になるような池は石を投げ入れても割れない位の厚みになっていました。
まだ小学生の時、その日陰になる池で、一度だけはった氷の上に乗った事を覚えています。
その後、見なくてあれ以来という事でしょうから、やっぱり50年ぶり位なのでしょうか。


その極寒だった冬のせいか、今年はしもやけの方を何人もお世話させて頂きました。
例年こんなにもお世話させて頂くことはありません。
寒くても通勤通学で自転車やバイクなどに乗られる方は、しもやけになってしまった様です。
一般には、ぬり薬やマッサージですぐ良くなったり、温かい靴下などで予防できると思いますが、今年はそうはいかなかった様です。
そのため、足の指が赤黒く、部分はシミの様にもなり、けっこう重い人は重い症状でした。
そして、皆さん即効性のある漢方で良くなって頂きました。


しもやけの漢方と言えば、「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)」と舌を噛みそうな長い名前の処方が有名ですが、皆さんがこれですぐ良くなる訳ではありません。
たとえ足の指先と言えど、「気・血・水」の3つの物質は流れていて、そのどれが滞っているかで、処方が異なってきます。
そのため、しもやけの効能があるからと言って、皆が皆、「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)」で良くなる訳ではありません。
体質を診て、滞っているものを流すようにする、体質にあったベストな漢方なら10分で良くなってきます。


しもやけの症状とは炎症です。
もちろん寒さによって、末梢血管が悪くなって起きています。
でも、体の中を流れている「気・血・水」はすべて熱を持っていますので、どこかで滞ってしまうと、その場所に熱がたまり、炎症を起こすのです。
そして、「痛い、むず痒い、腫れる、ジンジンする、疼く」となるのです。
それこそ、打撲症状とまったく一緒です。


そのため使う処方も打撲に使う漢方が良く効いたり、腫れものに使う漢方が良く効いたりします。
例えば、打撲に使う「治打撲一方(ちだぼくいっぽう)」、血の炎症を抑える「竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかん)」や、気の流れを回復する「桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)」などを使いました。。
もちろん「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくさんかごしゅゆしょうきょうとう)」も使いました。
ちなみに、この「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくさんかごしゅゆしょうきょうとう)」の処方は「呉茱萸(ごしゅゆ)」という生薬でもって、肝経~筋(すじ)を温め、血の巡りを回復させます。
そのため、肝経の冷えのない人に間違って使うと、まったく効果を発揮しません。
処方中に「当帰(とうき)、呉茱萸(ごしゅゆ)、生姜(しょうきょう)、細辛(さいしん)」と温める生薬が多いので、誰にでも効果がありそうですが、残念ながらそうはいきません。
やはり「体質を診る」というのはすごく大事です。
しもやけでそう強く思った冬でした。




60代 女性

3月半ばになって、だんだんと暖かくなってきたが、しもやけが治らないと相談あり。
病院でぬり薬(ヒルドイド)とビタミンEを処方され、この冬の間ずっとぬって服用していた。
初めのうちは効いて楽になったが、だんだん効き目が弱くなり来店。


見せてもらうと、腫れは大きくないが、赤黒い火傷のあとの様なシミがほとんどの足指と耳にも出ている。
毎日午前中はそうでもないが、午後になると痛みだし、歩いているとさらに足に指が疼いてくる。
子供の頃の症状と、普段の生活習慣など詳しく問診。
そして、舌診の状態と併せて、婦人系漢方と瘀血(おけつ)に働く漢方を合方した。


お店で1回分飲んで頂き、待つ事10分。
指や耳の腫れた感じが楽になり、店内を歩いても足が疼かない。
汗をしっかりかく頃になると出なくなる事を説明。
しかし来年度の冬が寒ければまたしもやけになるので、その時は早めに服用を開始することと、1日1回で十分体質をいい状態に保てる事も説明。


この方は、血虚からくる血流不足が寒さによってしもやけとなった。
また寒さによって末端で瘀血(おけつ)を生んだと言える。



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