●皮膚はどんなとき乾燥するか
正常な皮膚が柔らかくしなやかなのは、水分を含んでいるためです。
皮膚の外側に層には脂が含まれ、水分の蒸発を防ぎ、皮膚の深層部をうるおった状態に保っています。
この脂が失われてしまうと皮膚は乾燥します。
皮膚が乾燥するドライスキン(乾皮症)はよくあるトラブルで、特に中年以降の人に多く見られます。
気候の寒さや入浴回数が多すぎることが一般的な原因です。
入浴すると皮脂が洗い流され、皮膚の乾燥を招きます。
乾燥した皮膚はヒリヒリしたり、かゆみを感じやすくなります。
乾燥した皮膚がフケのような薄片や落屑(らくせつ)になって剥がれ落ちることもあります。
落屑は脚のすねによくみられます。
乾燥した皮膚をこすったりひっかいたりすると、感染や瘢痕化を引き起こすことがあります。
重度の乾燥状態は、魚鱗癬(ぎょりんせん)と呼ばれます。
魚鱗癬は遺伝する事もありますが、その他の病気、たとえば甲状腺の機能低下、リンパ腫、エイズ、サルコイドーシスなどでも起こります。
ドライスキンの治療法は皮膚の水分を保つことです。
入浴回数を減らせば、皮脂が必要以上に奪われずにすみます。
ワセリンや鉱物油、グリセリンを含んだ保湿用の軟膏やクリームを使えば、皮膚の水分が保たれます。
強力なせっけんや洗剤、一部の保湿剤に含まれる香料は、皮膚を刺激し乾燥を悪化させてしまいます。
落屑をなくすには、サリチル酸や乳酸、尿素を含む溶液やクリームを使います。
重度の魚鱗癬の一部では、トレチノインのようなビタミンA関連成分を含むクリームによって落屑の悪化を防げる場合があります。
№5では「ステロイド外用剤のポイント」についてご紹介します。
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