むくみ(浮腫)の原因と治療法


むくみ(浮腫)の原因は?


①塩分のとりすぎ

塩(塩化ナトリウム)は水に溶けると「ナトリウムイオン」と「塩素イオン」に分かれます。
このうち、浮腫に関係するのがナトリウムです。
血液中のナトリウムは主に細胞の外に存在し、カリウムは主に細胞の内に存在します。
人間の体は、体内のナトリウム濃度を一定に保とうとするため、ナトリウム濃度が高くなると、それを薄めようとして、水分も一緒の増えるようになります。
この浮腫を改善するためには、ナトリウム含量の多い食品や調味料を制限しなければなりません。


②長時間同じ姿勢を続ける

座りっぱなしや立ちっぱなしなど同じ姿勢で長時間いること、血液やリンパ液の流れが悪くなり、浮腫を生じやすくなります。
足首に靴下の痕がくっきり付いてとれなかったり、足首付近を指でしばらく押さえて、指の痕がしばらく残れば、体が浮腫んでいると思われます。
1日足をしたにしていると、重力で体液が足のほうにたまってくるため、夕方には足が浮腫みやすくなりますし、寝ている間は重力で水が身体に均等に分配されるので、朝は顔が浮腫んだように感じられます。


③運動不足、筋力低下

筋肉は血管やリンパ管を収縮させ、血液やリンパ液を循環させるポンプの役割もして おり、特に足は第二の心臓と呼ばれます。
運動不足から、筋力が低下してしまわないよう、適度な運動が必要です。
その他、冷えや基礎代謝の低下、ホルモンバランスの乱れ、アルコールの摂りすぎなども浮腫を起こす原因になります。
また、腎臓病、心臓病、肝臓病、血管の障害、リンパ管の障害、貧血、妊娠中毒症などでも浮腫を生じることがありますので、いつもと身体の調子が違ったり、長時間浮腫が続いたりするときには一度病院に行って診察を受けることも大切です。


むくみ(浮腫)のアオキ薬局流治療法は


病院では、内臓疾患など浮腫の原因が分かっている場合には、原因疾患の治療が行なわれます。
場合によっては、合わせて利尿剤などが処方されます。
また癌の手術後に起きるリンパ浮腫などでは、それに合わせた専門の治療が行なわれます。
それら以外の一過性の浮腫に対しては、生活養生やマッサージ、漢方治療などがメインになります。

漢方治療では、まず浮腫を虚実で分けることが大切で、体表部の浮腫のうち、

・勢いが無く軟らかで、指で押すと凹んでもとに戻りにくいものを虚腫(キョシュ)、
・堅く勢いがあり、指で押してもすぐに戻ってくるものを実腫(ジツシュ)としています。

また、水の滞りによるものを水腫、血の滞りによるものを血腫としています。

浮腫は五臓のどこの弱りからでも発生しますが、水飲代謝に直接関係する脾・肺・腎に起因するものが多くあります。


①心の弱りによる浮腫

慢性的な心の弱りによる浮腫で、外感病または内傷の結果、心の気血不足、或いは心の陽気不足が生じたために起こる浮腫です。
肺虚や腎虚が心に波及したために引き起こされることもあります。

②肺虚による浮腫

肺は"水の上源"で、脾よりもたらされた水飲は肺の働きによって、体表及び全身に配付されます。
風寒や風熱などの外邪が肺気の働きを邪魔すると、三焦の水道が不通となり浮腫を生じます。

③脾虚による浮腫

脾は水飲の吸収と運化を支配しています。
脾虚がある上に、湿邪に当たったり、水分を過剰に摂取すると、水分が脾胃に停滞し、吸収排泄が障害されて、浮腫を生じます。
脾は四肢を主るので先ず四肢に浮腫を生じ、慢性化すると頭重、全身倦怠感、軟便下痢、嘔気などを伴うことが多くなります。

④肝虚による浮腫

肝は疏泄を主り、水道である三焦と密接に関係しています。
肝の疏泄作用が衰えて気の滞りを生じると、脾の水飲を運ぶことができなくなり、三焦の水道作用も働かなくなり水湿が全身に停滞して浮腫を生じます。

⑤腎虚による浮腫

腎は全身の水飲代謝を支配しています。
腎の陽気が衰えると水飲の循環や排泄が悪くなるので浮腫を生じます。
人は老化にともない腎の陽気が衰えるので、老人では腎陽虚による浮腫を起こしやすくなります。
漢方では、同じむくみでも原因が違えば治療法も違います。

詳しい見立てと経験で、皆さん良くなられています。


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